ワークショップ参加、講演、運営予定:誤り訂正符号のワークショップ2013

9月25日(水)~27日(金)の期間、
誤り訂正符号のワークショップ、および、IT研究会に参加します。
開催地は、沖縄県宜野湾市。フェストーネという会議施設です。

ワークショップでは
 運営(実行委員)
 講演(タイトル:PUFの概念と評価,そしてFuzzy Extractorによる鍵生成.
    姜 玄浩(東京理科大)との共同講演)
 モデレータ(パネルディスカッション)
を務めます。

パネルディスカッションでは、
 三菱電機 松本氏
 和歌山大学 葛岡先生
 神奈川大学 野崎先生
をパネラーに迎え、
符号理論の現状と未来に対し、
産業界、情報理論界、符号理論界という異なる視点から議論頂きます。

講演では、PUFというセキュリティ技術において注目されている
「Fuzzy Extractor」に関して解説します。
この技術は、生体認証などでも用いられる汎用性のある技術です。
誤り訂正符号と関わりが深いのですが、
日本の符号理論界ではあまり知られていません。
この講演が、国内での研究が活発になるきっかけになれば嬉しいです。


体験 符号理論 ~JST サイエンス・パートナーシップ・プログラム~

JST(科学技術振興機構)の支援を受け、
サイエンス・パートナーシップ・プログラム事業として、
高校生に「符号理論」の講義を行いました。
千葉大学の教員が千葉東高校の学生に
大学で学ぶ高度な数学・情報数理学を教えるという企画です。

期間は8月22,23,24日
どの日も9:00-16:00という、長丁場。

高校生のみなさんが疲れてしまうのでは、と心配していましたが、
最後まで元気いっぱいで講義を楽しんでくれていました。

写真 2013-08-24 10 32 01

講義を担当したのは、私と桜井教授。
私は理論を、桜井教授はプログラミングを、それぞれ担当しました。

以下、講義の内容です。

22日
 午前(担当:萩原) 符号理論と暗号理論について、2 out of n 秘密分散方式の構成法、符号化、復号。
 午後(担当:桜井) Maximaを使った整数剰余環の計算、連立一次方程式の解法。

23日
 午前(担当:萩原) 整数剰余環上の繰り返し符号、ハミング符号、符号化、復号。
 午後(担当:桜井) Maximaを使った再帰計算。階乗の計算、フィボナッチ数列の計算。

24日
 午前(担当:桜井) Maximaを使った、ユークリッド互助法、拡張ユークリッドアルゴリズム、ハミング符号の復号アルゴリズム。
 午後(担当:萩原) LDPC符号とsum-product復号法。グループ討論会。

写真 2013-08-24 10 35 52
こちらは、桜井教授作成のテキスト。
みなさんは、高校生に負けずに解答できますか?

【LINK】JST,サイエンス・パートナーシップ・プログラム


符号理論 ~デジタルコミュニケ―ションにおける数学~ 日本評論社、萩原学著

 

符号理論の教科書です。

数学科の大学生が、
モダン符号理論(21世紀の符号理論)を学べる本を作ろう、
という思いで書きあげました。

抽象代数、確率論、イプシロンデルタ論法、距離空間、アルゴリズムなど、
大学で学ぶ様々な数学が
現実社会にてどのように応用されているか、
理論面から解説しています。

 

05977

 

特徴

符号理論の数学的理論を、体系立ててまとめました。
特に、次の理論の詳細を一冊にまとめた唯一の書籍です。

・符号理論の基本定理である通信路符号化定理・逆定理の証明
・ハミング符号、リード・ソロモン符号といった古典的符号の理論。
 および、それらの符号化、復号法の理論・
・LDPC符号とその復号法といったモダン符号の理論。

数学専攻の学生にも、
モダン符号の基礎がわかる一冊です。
注:「モダン符号」…21世紀になって発展した符号理論

大学の教科書等に利用されています。

利用例
・九州大学 (講義名:2013年度 数理科学特論5)
・千葉大学 (講義名:2013年度 数理情報学特論Ⅰ)

他にも、大学のセミナー等でも使用いただいてます。

形式化研究の、参考文献として。

情報数理学に於いて、形式化と呼ばれる研究が注目されています。
通信路符号化定理・逆定理の形式化は、2012年に成功し、前者の成果は国際学会ITPにて発表されました。
ITPは、形式化研究において、世界最高峰の集会の1つです。

その形式化が遂行された際、本書の証明が参照されました。
それを受けて、形式化の研究の参考文献として、本書が利用されています。

購入方法

全国の書店、ネットショッピング(amazon等)などでお買い求め頂けます。

【LINK】amazonで検索
【LINK】出版社(日本評論社)のHP

正誤表

【LINK】正誤表
【LINK】9章LDPC符号の正誤表、教科書スタイル。