平成26年度 千葉大学大学院理学研究科 修了式

2015年3月25日、
大学院の修了式が行われました。

博士前期課程 数学・情報数理学コースの小尾君が
研究科長賞を受賞しました。

受賞の決め手は、
ISITA2014という国際シンポジウムや
SITA2014という国内シンポジウムなどで発表した
情報源符号化の形式化に関する論文でした。

研究科長賞の候補者となる条件は
学会等での講演実績が十分にあること。
ISITA2014のような査読のあるシンポジウムでの講演は
他の候補者から頭一つ抜けて、目立った業績となりました。

ISITA2014は、昨年、メルボルンで行われました。
彼の論文は僕と共著という意味で一緒だっただけじゃなく、
メルボルンでのホテルの部屋も一緒でした。
あと、飛行機の乗り換えで止まったシドニーでのホテルの部屋も。
楽しく海外で過ごせて、とても思い出に残ってます。
空き時間に、シドニーのオペラハウスに行って、
一緒にクラッシックのコンサートを聴いたのも良かった。

小尾君は、本当は他の研究室の学生なのですが、
諸事情で僕と一緒に研究していました。
今後、そういうことは殆ど無いだろうな。
僕の研究室の学生との研究に集中しますからね。

ところで、
研究科長賞を受賞したのは
今年度も昨年度も情報数理学の専攻者でした。
情報数理学は、数学も情報も両方理解していないと研究できない
難しい学問だと思います。
それ故、成果を上げると高く評価されるのかも知れません。
来年度はどの分野の学生が受賞するのか。楽しみです。

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みなさん、修了おめでとう!


大学院説明会:千葉大学大学院理学研究科 数学・情報数理学コース

平成28年度春入学もしくは平成27年度秋入学向け、
本コースの大学院説明会が開催されます。

千葉大学大学院にて数学・情報数理学の研究を希望している学生は、
是非、参加下さい。

日程:
 2015年2月13日(金)
時間と場所:
 15:00-16:30 説明会@理学部4号館1階マルチメディア講義室
 16:40-17:30 研究室訪問@各教員の研究室

符号理論を数学の視点から研究したい人たち、
是非、千葉大学で一緒に研究しましょう。


Ulam距離向け誤り訂正符号の研究

最近、力を入れて研究しているテーマ、それが
 Ulam距離向け誤り訂正符号
です。

簡単に言うと、
 窓表示で表示した置換に対する削除誤りに耐性を持つ置換集合を作る
ということ。

例えば、5次の置換の部分集合を { [1,2,3,4,5], [5,4,3,2,1] } の2元からなる集合とします。
そこで問題:
 数列 [ 2, 3, 4, 5 ]は、先の2元集合の元の成分の一部を削除したものです。
 二つのうち、どちらでしょうか?

答えは、[1,2,3,4,5]の方です。これの最初の成分[1]を削除したら、[2,3,4,5]になります。
ちなみに、[5,4,3,2,1]から何かを削除しても、[2,3,4,5]にはなりません。

続いて問題:
 数列 [1] は、先の2元集合のどちらかの元の一部を削除してものでしょう?

答えは、二つの元どちらも、です。
[1,2,3,4,5]の後ろの4つの成分[2,3,4,5]を削除しても、
[5,4,3,2,1]の最初の4つの成分[5,4,3,2]を削除しても、
どちらも[1]になります。

いま考えているのは、
 n次の置換の部分集合で、 n/2 個の成分を削除しても、一意に元に戻せる集合を作る
という問題。

文献調査の中で、この分野のパイオニア的な仕事である、
Levenshteinの論文
On perfect codes in deletion and insertion metric,
Discrete Mathmatics and Applications, vol.2, no.3, pp.241-258, 1992.
を読みました。
これが、凄い面白い。
感動した。

この理論を土台に拡張したい。
でも、難しい。

そんな毎日を過ごしています。

さて、写真のコーナー。
写真 2014-12-07 14 26 23
なぜか、1つのロープだけに群がる鳥たち。
なぜ??