ただし、40歳以下限定である、若手の賞という側面もあります。
2022年の受賞者は4名。
受賞理由は、球の充填問題を大きく前進させたこと。
球の充填問題とは、
空間の次元によって答えが異なります。
分かるまで350年かかったという難問。
マリナ・ヴィヤゾフスカさんは、
さて、なぜこの話に萩原が飛びついているかというと、
座標の値を、
通信効率を上げること
なんです。
ちなみに実数体版と違って有限体版だと、
答えが変わります。
さらに実数体版と違うのは、
これらだけでも繋がりとして魅力的ですが、
拡張ハミング符号とE8格子
その昔ハードディスクの誤り訂正に使われていた「ハミング符号」に
ひと手間加えたのが拡張ハミング符号。
千葉大の数学・情報数理学科では、ハミング符号を3年生で学びます。
ひと手間加えたものが拡張Golay符号。
ごめん、千葉大の数学・情報数理学科では僕が教えてない。来年から教えようかな。
ハミング符号は7次元空間の半径1の球により、
Golay符号は23次元空間の半径3の球により
それぞれ二元体版の球の充填問題の解になっています。
つまり、どちらも完全符号です。
ひと手間加えることで
拡張ハミング符号は 8(=7+1)次元空間に、
各行Golay符号は 24(=23+1)次元空間に、
それぞれ1次元ずつ大きくなります。
拡張ハミング符号に更に手を加えると
E8格子、
拡張Golay符号に更に手を加えると
拡張ハミング符号の符号長8に由来して、
E8格子の次元が8になります。
拡張Golay符号の符号長24に由来して、
8次元版では、
E8格子が活用できる
という予想が以前から知られていましたが、
24次元版で
リーチ格子が活用できることも、
マリナ・ヴィヤゾフスカさんらのグループが
解決しました。
余談ですが、
フィールズ賞授賞式の数日前、
会場付近を散歩してました。
式典会場とは全く知らず(笑
仕事でヘルシンキ(フィンランド)に行ってました。
符号理論のシンポジウムでした。
Tooloという地域にホテルをとって、
Aalto大学のメインキャンパスであるEspooへ。



帰国後、授賞式の中継を見ていたら、
会場が
Aalto大学Tooloキャンパス
だったという。
ちょっと惜しい感じ!!!
Tooloキャンパスのすぐ傍に、
観光名所
岩の教会(Rock Church)。
現地の言葉で
テンペリアウキオ
があります。
側壁が岩で、天井が木で作られた不思議な教会。
テンペリアウキオ内部の
写真を撮ってきました。

写真右下の方に、なにやらオブジェがあったので、3Dスキャンしてきました。
余談が続きましたが
マリナさんを含め、受賞者の皆さん
おめでとうございます!