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2011/12/16(金) セクション9 可換環のイデアル

調べごとをしていて
 堀田良之著
 代数入門 -群と加群-
を開いた。

なんとなく気まぐれで、
セクション9を整理した。

この記事では、
セクション内の命題やその流れを述べてみる。
ただし、中国式剰余定理は省いている。

証明は上記の書を参照頂きたい。

「代数入門 群と加群」では1を含む可換環が扱われる。
セクション9は、そのような可換環のイデアルに関する
初歩的な議論がまとめられている。

まずは、素イデアルと極大イデアルを剰余環の視点で特徴づける命題。


上記の命題は
 素イデアル
 極大イデアル
 整域
 体
の定義を理解していればすぐにわかる。
極大イデアルと体に関する議論には
可換環が1を含む仮定を使う。
 (さて、どこでしょう。パッとわかったあなたは素晴らしい。)

上記の命題が理解できていると、
次の命題&証明が楽しめる。


次の命題は、
極大イデアルに対するZornの補題の直接的な応用と言える。

代数では、特定の集合を含んだ極大な対象を考察することがよくある。
イデアルだけでなく、色々な条件に置き換えて考察すると良い。

環の元に対して、
因数分解の拡張を考えることは珍しくない。
つまり、
環の元を、複数の元の積で表示していく。
a を a= a1 a2へ。
a1 を a11 a12 a13、 a2を a21 a22
と分解していけば
a = a11 a12 a13 a21 a22
と分解できる。
(単元を除き)これ以上分解できない元は「既約元」と呼ばれる。

整域では、(素イデアルを与える)素元と既約元の関係がわかる。


上の命題が理解できると、
下の命題は直感的に納得しやすい。

「代数入門 群と加群」における証明では
単項イデアル整域という仮定が活用されている。
単項イデアル整域の便利なところは、
集合であるイデアルの考察を、元の議論へ変換できることである。


整域において素元は既約元だから、
素元の積による表示は既約元の表示である。
さらにそのような表示は非常に便利な性質を持つ。

ただし、必ずしも素元の積で表示できるかどうかは保証されていない。

つまり、下の図の白いエリア以外が想定されるため、
のっぴきならない。
hottaSec09_008.jpg
特に困るのは濃い青色のエリアだ。
既約元の積による複数の表示を持つ場合がある。
表示が複数あることで、悶々と頭を悩ませた数学者は少なくない。

下の命題は、
 「濃い青色が無い」=「全部白」
ということを意味する。

「全部白」じゃなければ「濃い青色が存在する」という
困った話と解釈できる。


そこで「全部白」の状況に名前を付けておく。


「全部白」なんていう便利な状況が、割りと身近なところにある。

この例を証明する為に、
「代数入門 群と加群」では
単項イデアル整域における
イデアルの増加列の性質が利用されている。

イデアルの増加列に注目すると、
環のイデアルに関する特徴的な性質が見えてくる。


上の命題の条件を満たす環には
「ネター環」という名前がつけられている。


関連キーワード:代数入門 群と加群
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