ふと夜中に目が覚めた。
恐らく、深夜5時、もしくは、6時位だろう。
真っ暗な中、何かが鼻腔を刺激した。
どこかで嗅いだことのあるけど、何だったろう
眠気と戦いながら、
ぼんやりと心当たりを探った。
もしかして、
まずいことが起きたのかも
それは、新生児のウンチを思い出させた。
隣には、2歳の次女が寝息を立てている。
まさか、おむつから漏れたのか
僕はすぐに娘のお尻に手を当てた。
そして、布団にもぐり、お尻の臭いを嗅いだ。
あの臭いがしない
僕は布団から顔を出し、改めて思考を巡らせた。
そして、昨日までと今日との違いを考えた。
その日、関東では雪が降るだろうと予想された
ひどく冷えた夜だった。
寝室には暖房がない。
そこで、隣室の暖房をつけ、
部屋のドアを開けることで
暖気をとって寝たのだった。
わかった。お米が炊けた臭いだ。
僕は安心した。
そして、徐々に、頭が回転し始めた。
お尻が、子供のサイズじゃない。
隣をみると、そこに寝ていたのは妻だった。
次女は寝相が悪く、夜中のうちに妻を乗り越えて居たのだった。
ということは、さっきのお尻は。
とりあえず、そのまま再び眠りにつくことにした。
翌朝、朝食を作りながら、妻に昨夜のことを話した。
これこれしかじかで、
夜中に、お尻の臭いを嗅いじゃった。
すると妻は、こう答えた。
その時、私、起きてた。
急にお尻を触られて、臭いを嗅がれたの。
何で、起きてるって言ってくれないんだ?
と僕が訊ねると
言えるわけないでしょ!
と怒られた。